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インテリアスタイリスト石井佳苗さん「わたしらしい暮らし空間」作りのススメ セミナーレポート

 







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元ハウスメーカーのインテリアコーディネーター。 IKEAなどコストパフォーマンスのよいインテリアを使って高見えするコーディネートをするのが得意。 妥協して中途半端なものを手に入れるのが嫌い→→お客様が入荷待ちされている商品の在庫チェックするのが日課です。
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突然ですが、こんなキッチンが出てくるCM(Panasonicリフォーム)を見たことありませんか?
ヘリンボーンに貼られたタイルの壁や、古木を貼った天井が、もうステキすぎて♡
思わず、誰がスタイリングしたのか調べましたよ!
それがインテリアスタイリストの石井佳苗さんとの出会いでした。

石井 佳苗

東京都出身。イタリア家具メーカー、カッシーナ・イクスシーに入社。
現在は、インテリアや暮らしまわりのスタイリストとして活動しつつ、ウィンドウディスプレイやプロモーション、商品開発、講師等、活躍の幅を広げている。
著書に『Love customizer 簡単!インテリアDIYのアイデア』(エクスナレッジ)『インテリア練習帖』(宝島社)『DAILY LIFE』(エクスナレッジ)がある。

そんな、大人気の石井さんから直接お話を聞けるなんて、ステキ♪と訪れたのが、新宿OZONE。

参加したセミナーは、OZONEの6Fにショールームを構える、『ROOMBLOOM』さんの企画です。

ROOMBLOOMでは、10/5〜31日まで「ペイントリノベーションで暮らしにあわせてお部屋を変え見る展」(下記写真参照)を開催されており、連動企画として、セミナーが開催されました。

 

約1時間、「わたしらしい暮らし空間」作りのススメというテーマでたっぷりお話を伺ってきました。

とても良いお話だったので、DIYペイントに興味のある方、石井佳苗さんに興味のある方にシェアしたいと思います。

 

「わたしらしい暮らし空間」作りのススメ

日本人は文化的に壁づかいが上手ではないが、その理由は日本家屋での生活スタイルがベースになっているからというところから、お話がはじまりました。

昔の日本家屋は、田の字型で繋がった部屋同士が襖や建具で仕切られているだけで、壁があまりありませんでした。

そして、現代の住居においても、壁といえば大きな窓があったり、家具が大部分を占めていたり、壁そのものとして存在しているところは残念ながら少ないのが現状です。

海外では、壁づかいが上手で、DIYをする方も多いですよね。

印象をがらっと替えることができるので、ぜひ壁のペイントにトライしてみては?ということで、スライドで事例を見ながら、お話してくださいました。

 

初心者のペイントのはじめかた

まずは小さいところをペイント

広い面積をいきなりペイントすることに抵抗がある方も多いと思います。

そんな時は、まず「小さいところ」をペイントしてみるのがおすすめ

「小さいところ」とは、ドアやドア枠など。

少しの時間でできる上、効果を実感しやすいところなので、初心者にオススメということでした。

ドアを上下で2トーンにしたり、ドアとドア枠のカラーコーディネートで、オリジナリティが出せますよ。

石井さんのご自宅では、ドア枠を赤にペイントされていて、洗面所のドアはステキなグリーンでした。

https://hokuohkurashi.com/note/119850

狭い空間をペイント

「狭い空間」でのオススメは「トイレ」。

狭いからこそ、短時間で効果を実感しやすい(これはドアやドア枠も同じですね)。

特に便器の奥の壁、両サイドの壁のうち、1面をペイントすると、おもしろいくらい印象が変わります

これは新築住宅でクロスを1面だけ違うものにする、アクセントクロスの感覚と同じですね〜。

サンプルをたくさん取り寄せる

同じ赤い色でも何十種類もあるので、サンプルを取り寄せて、じっくり確かめてみることが大事です。

実際、石井さんもドア枠の赤と洗面所ドアのグリーンを決めるまでに、たくさんのカラーサンプルを取り寄せたそうです。

サンプルが届いたら、実際に壁にあて、部屋の中で色の確認をしてみる。

まずは陽の当たる時間をメインに考えて選び、夕方・夜の照明の中でもチェックして、納得のいく色を選びましょうとおっしゃっていました。

本当に色選びは難しいですが、一番楽しいところだと思います!

不安な人のカラーの選び方

カラー選びに失敗しないか心配な、初心者の方へのアドバイスとして、

少し落ち着いた色(モーブな)がオススメということでした。

例えば、

  • 『アースカラー』(自然にある色)
  • 今着ている服のカラー
そのグラデーションの中から好きな濃さやトーンを選んでみるのがいいいですねとおっしゃってましたよ。

まずは、身の回りのなじむ色からスタートすれば、安心ですね。

一度はプロに頼んで、学ぶ

石井さんご自身も、実際にプロがペイントするところを見て、いろいろと勉強になったそうです。

自信がない人は、まずプロのペイントサービスをお願いしてみるものいいのでは…とおっしゃっていました。

確かに!私もそれは実感しています。

やっぱり、職人さんの技は、マニュアルでは得られないものです。そう、プライスレス

上手な職人さんほど簡単にパパっと作業されるので、横で見ていると「簡単!私にもできそう!」と思っちゃうんですよね〜。

でも、実際そう簡単はいかない・・という話をされていて、大きく頷きました。

プロの施工しているところを見て学ぶことは有益ですので、初めてのペイントはお願いしてみるのもいいなと思います。

 

石井佳苗さんのペイントリノベーション

去年リノベーションされたご自宅のペイントについて、紹介してくださいました。

リノベーションの全貌は
『Love Customizer2 DIY×セルフリノベーションでつくる家』
という著書に詳しく紹介されてます。

ご自身が実際に経験されたことを、余すことなく紹介されていて、とっても勉強になるし、刺激をもらえますよ〜。

もちろん、私も持ってます!

今回はご自身のテーマが「原色」だったということで、ドア枠を赤にペイントされています。
これがアクセントになって、とってもかわいい!

さらに、玄関にある鉄格子の扉。
これは三匹の猫ちゃん用のフェンスだそうですが、このフェンスは落ち着いたグリーンでスプレーされています。

玄関を入ると、グリーン鉄格子の奥にドア枠の赤が見えて、なんともオシャレ〜

この色使いが海外のインテリアを感じさせる大事なポイントなのかもしれない…と感じました。

そして、DIYで作ったキッチンの奥の壁は、カーキ色にペイント。
実際にリノベーションが完了し、住んでから色を選んでペイントされたそう。

その時の気持ちや年齢を重ねることも、色選びに影響があって、その上でのカーキだったそうです。

大変だったところは、住んでからだと、照明器具や設備機器なども含め、養生がかなり難しかったところだとおっしゃっていました。

また、あえて少し暗めカーキ色にペイントしたそうですが、やはり真っ白の壁に比べると暗く感じると。

その理由を詳しく説明してくださいました。

明るいと感じるのは、モノに光が反射することによるもの。

だから、反射率が白に比べて悪くなる=暗く感じる。

確かに私もお客様に、暗めの壁紙のお部屋には、明るめの照明器具をご提案していました。

 

石井さんにとっては、今回は2軒目のリノベーション。

前のお住まいのキッチンは、

  1. 明るいブルー
  2. 落ち着いたルビー
  3. 好きな5色でのカラーブロック

と、塗り替えながら暮らしてこられたそうです。

実際にキッチンのペイント歴史を、写真でご紹介くださったのですが、本当にガラリとイメージが変わるのが印象的でした。

特に、明るいブルーから落ち着いた大人っぽいルビーへの塗り替えが、見事でした!

これは石井さんだからこそだな!と思ったのは、壁色を替えると同時に、棚やキッチン道具まで変えてしまうというところ。

明るいブルーの壁には、クリアな印象の木やシルバーを合わせ、落ち着いたルビーの壁にはアイアンなどを。

壁の色の重さに合わせ、小物まで変えちゃうなんて、さすが!!

 

そして、濃い色から淡い色への塗り替えについても、ポイントを教えてくださいました。

濃色から淡色への塗り替え ポイント

  1. 濃色の上にいきなり淡色を塗らず、一度グレーや白を塗り、色を調整
  2. (乾いてから)その上に淡色を塗り重ねると、濃色が透けない

こういう手間を惜しまずにすることで、仕上がりの美しさが変わってくるとのこと。
勉強になりますね〜。

そして、このルビーの壁は、撮影などが全て終わった時に、また塗り直し、グレーベースの5色ブロックに。

なんと、塗り替えようとカラーサンプルを取り寄せたりしているうちに、好きな色を全部使ってもいいじゃない!と思ったそうです。自由な発想がいいですね。

 

変えることをいとわない

石井さんのお話を聞いていて感じたのは、出来上がったらそれでおしまい!ではないということ。

その時々の気分や、ライフスタイルの変化に合わせて、インテリアも変えてみればいい、と教えてくださいました。

確かに、ソファやテーブルの位置を移動するだけでも、自分の家じゃないみたいな新鮮さを感じますよね。

たまには家具を移動するのもいいかもしれませんね。

石井さんの場合は、季節によって壁付けの棚ごと変えたりするそうです。

さらに驚くことに、棚を変える時に、壁につけたフックも移動するんですって!

うわぁ、そこまで!!と思いましたが、石井さん曰く、「棚の大きさも違うし、ちょっとバランスが悪いなと思ったら付け替えちゃう」そうです。

賃貸では難しいですが、石井さんのお宅はリノベーションの際に、どこでもフックやビス留めができるような壁の構造にしているので、簡単にどこにでも移動できるそうです。

さて、そんなに付け替えしたら、壁が穴だらけになるんじゃ?と思った方。

ちゃんと教えてくださいましたよ。

穴にはパテ埋めをし、その上をペンキでタッチアップすれば、わからなくなるそうです。

だから、『穴を開けることは全く怖くない!』と断言されていらっしゃいました。

ここで、覚えておく方がいい大事なポイント!

補修のとき、タッチアップに使うので、ペイントした塗料を少し残して保管しておく

そこまでして?と思うかもしれませんが、補修のことをあらかじめ考えておくのは大切ですね。

 

面倒くさいことじゃなくステキなこと

石井さんのお話を伺っていて感じたのは、もっと自由に楽しめばいいんだということ。

いろいろ変えるのは面倒くさいと思うかもしれませんが、それはステキな時間のためと思うと楽しくなるというお話が印象的でした。

ステキだな〜。

もう一度、著書をじっくり読み直したいと思います!
本で紹介されているリノベーションも、ご自身でされた部分が多く、とても参考になりますよ。

石井佳苗さんに興味を持たれた方へ、良い記事のリンクを貼っておきますね。

フィットする暮らしのつくり方 vol.02 – 石井佳苗さん編 

石井佳苗さん宅のインテリア特集

石井佳苗さん(インテリアスタイリスト)が語る自由な壁の楽しみ方〜

ちなみに、NHK Eテレ 趣味どきっ!にも出演されています

家で楽しむ私のカフェスタイル

忘れちゃいけない、Panasonicリフォーム

CMの空間プラン

 

 

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