【引越しシーズン】IKEAの家具がレンタルできるようになる?
春といえば、引越しシーズンですね。
我が家のご近所でもこの時期になると、引越しトラックをあちこちで見かけます。
この辺りは転勤族の方が多い地域で、突然お友達との別れが訪れることもあり、戦々恐々…
さて、今回はそんな引越しにまつわる家具のお話です。
引越し業者はIKEA家具を嫌がる?
お手頃価格で北欧スタイルを楽しむことができ、人気のIKEA家具。
実は引越し業者はIKEA家具を嫌がるというお話はご存知でしょうか?
なぜ嫌がられてしまうのか、なんとなく想像がつきますか?
・組み立てたままでは大きすぎて運べないサイズのものがある
・作業員が分解→再組み立てできない
というのが主な理由だそう。
確かに、IKEAの家具は他の家具よりもがっしりしていて、重いですよね。
その理由を、以前参加したセミナーでIKEAの方がお話されていました。
IKEAでは大量生産し、世界中で販売することでローコストを実現しています。
また、家具を持ち帰り、自分で組み立てすることもローコストにできる理由です。
フラットパックと呼ばれる梱包で運送コストを下げ、それを倉庫のような店舗内に保管・販売しているのはご存知の通り。
そう、この運送・保管時に上に上に商品を積んでも壊れない強度を計算し、家具の部材サイズが決められているそうです。
だから、普通の家具よりも太い部材になって重くなるんですね。
さらに、IKEAの家具は自分で組み立てることが基本になっているため、分解する前提で作られていません。
Q. 組み立てた家具を解体して再度組み直すことはできますか?
A. イケアの家具の大半は組み立て式ですが、完成後に解体することを前提として設計されておりません。そのため一旦解体した家具を再組み立てした場合、ネジ穴やパーツに設計以上のすき間が発生し、製品全体が本来の性能を満たせなくなることがございます。
私もいろいろ組み立てましたが、下穴さえない板にネジ留めをしたところなんかは、一度外して留め直ししても、最初の強度は出ないだろうなと感じます。
重くて運べない、分解もできない、そりゃ引越し業者が嫌がるのも当然ですよね。
スウェーデン人にとってのIKEA家具
では、IKEAの本拠地スウェーデンではどうしているの?と調べてみたところ、
「IKEAの家具は再度組立NG!」というのがスウェーデン人の常識。
荷物が多いと、引っ越しは大変になりますし、分解していなければ、引き受けてくれない引っ越し業者もありますし、分解し、組み立てをすると時間もかかり、苦労するのに分解前のようにならないことが多くあります。
そのため、引っ越しのときには、思い切って家具を買い替えるという人が多いのです。
引っ越しの際には、家具をリサイクルショップに持ち込んで、新しい引っ越し先で気に入った家具を再購入するというパターンです。
日刊Sumaiより引用
なるほど。引越しごとに買い替えるというスタンスなのか!
でも、日本で同じようにできるかというと、結構難しそうです。
なぜなら、IKEAの家具はリサイクルショップが買取りしてくれないからです。
以前オフィスリノベーションを手掛けた際、IKEAのオフィスチェアから他のチェアに買い替えたいというご要望があったのですが、何十社問い合わせても結局値段がつきませんでした。
逆に引き取り料を払えというような感じで…(怖)
販売価格が安いからこそ、わざわざ中古を購入する方がいないということでしょうね。
家具下取り・還元サービス
IKEAでは、不要になったイケアの家具を引き取り、家具の状態に応じた金額をリターンカードで還元するサービスを行っています。
サステナビリティな取り組みとしてはとても良いのですが、蓋を開けてみるとなかなか条件が厳しい…
まず対象外商品があります。
・屋外で使用された家具
・ベッド・マットレス
・ガラスが含まれる製品
・3辺合計が4mを超える収納家具
(大型の棚やキッチン収納、ワードローブなど)
また、商品は組み立てたままの状態で、IKEAの返品カウンターまで自分で持っていかなければなりません。
さきほどのオフィスチェアも下取りは可能でしたが、IKEAまで運ぶ手間などを考えると実際に行動には至りませんでした。
下取り価格は、購入時の1〜2割程度のようなので、自治体に粗大ゴミとして手数料を払って捨てるよりはいいかな、というレベルですね。下取りされた家具は、メンテナンスの上、アウトレット商品として販売されるそうです。
環境に優しい良い取り組みだと思いますが、なにせ手間がかかる…と思いませんか?
IKEAが家具をレンタル?
そんな時、ふと目に飛び込んできたのが、こちらの記事
個人ではなく世界全体で家具を所有し、リサイクルする
世界経済フォーラムで、イケアグループ社長兼最高経営責任者であるジャスパー・ブローディン氏に循環経済賞が授与された。イケアの持続可能な資源利用が受賞の理由だそうだ。ブローディン氏はスピーチの中で、家具の買い取りとレンタルを行う新しいサステナビリティプログラムを試行中であると発表。家具の廃棄を減らすことが目的だが、これには経済的なインセンティブも一役買っているようだ。
「テレグラフ」の取材に対し、ブローディン氏は「個人が必ずしも家具を所有する必要性はなく、世界全体で所有してリサイクルするのだという意識を消費者と共有するのです」と語っている。
イケアから家具をレンタルできるかも!? (ELLE DECO)
将来的には、IKEAが家具のレンタルサービスを始める可能性もありそうですね!
現在の家具レンタルでは「価格が高い」「デザインが好みでない」といった層にもIKEAなら受け入れられるのではないでしょうか?
特に転勤族の方は、引越し費用も安くなり、引越しのたびに違うデザインの家具を選ぶなんてこともできるので、身軽に楽しくお引越しできそうですよね。
これからさらに多様化するライフスタイルの中、その時々に必要な家具をレンタルしながら暮らすというスタイルも、支持されそうだと思います。
「大量生産、大量消費」ではない、これからのライフスタイルをIKEA発信でぜひ広めて欲しい!と思わずにはいられません。
日本での今後のサービス展開に期待が高まります!まだまだIKEAから目が離せない!!